ウレタン樹脂塗膜防水工事(2級技能士)

※職業訓練校の実習では、実習で作成したCFシートが床に貼ってあるブースをマンションの屋上の床に見立ててウレタン樹脂塗膜防水をそこにかける実習となっていたため、実際のウレタン樹脂塗膜防水の施工とは下地処理の段階で実際と大きく違います。

※防水の授業の講師の先生が都の要請を受けて制作に携わった動画が手順を含めてそのまま実習で習った内容となるため、参考までにyoutube動画のリンクを貼っておきます

TOKYO 匠の技(防水施工 熟練技能編)

  1. ウレタン防水をかけない部分を養生テープで養生し、プライマーを塗り忘れが無いように、かつ塗りすぎて溜りが出来ない様に均一に塗る(乾燥したモルタルやコンクリート面にプライマーを塗る際にプライマーの吸い込みが良く塗膜が出来ない場合は、塗膜を形成するまで塗り重ねを行う)なお、塗り忘れや溜りが生じてしまうとこの後に施工するウレタンに施工不良が生じ、是正工事に大変な手間がかかることになるので、下地から丁寧に作業をおこなうこと(プライマーを塗った当日中にウレタンを塗布すること。前日にプライマーを塗った場合は、再度プライマーを塗り、当日中にウレタンをせこうすること)
  2. プライマーが十分に乾いたら(授業では1時間半のち)通気緩衝シートを平場に貼る。なお、この際、パラペット等の立ち上がり部分(入隅)から50mm逃げた位置で通気緩衝シートをカットすること。(通気緩衝シートを床面に貼る際は、位置を合わせたのちに奥から糊面の保護シートを徐々に剥がし、中の空気を上から押さえて逃がしながら貼るようにする)
  3. 通気緩衝シートを全面貼り終えたら、シートのジョイント部分にジョイントシートを貼り、床用ローラーを用いて圧着させる
  4. 通気緩衝シートの端部に端末シーリングを打つ。これはシートを貼ることで生じる段差をなだらかにするのが目的で、端末シーリングを打ったのちに専用のコテ(材料を切り出して自作する)を使って凹凸をなだらかにする
  5. 通気緩衝シートに100mm被る(=立ち上がりの際から150mm)の長さでパラペットの天端からパラペット側面、通気緩衝シートを覆う長さの補強布を必要枚数用意する(ドレン、パイプ廻りも同様に補強布を貼るので、必要長さを用意する)
  6. 立ち上がり部分に立ち上がり用のウレタンの下塗りをする。この際に立ち上がり部分の上部からウレタンを立ち上がりに向かって流し込み、下からゴムへらを用いて全面均一となるように塗布していく(ウレタンの塗布量は0.3kg/㎡が目安)なお、ゴムへらには表裏があり、メーカーのマークがある方が表となるので、裏面を使ってウレタンを塗布する
  7. ウレタンの下塗りを終えたら、補強布を下塗り部分に貼って行く。この際、上を軽く手で押さえたら、ゴミベラを使って補強布を張りながら上から押えて行く。(入隅もゴムベラで押さえて角を出す)補強布同士の継ぎ目は50ミリ程度の重ね貼りとし、立ち上がり同士の入隅は補強布を折り込んで、出隅は床との入隅まで補強布にカットを入れて折り込んで行く。なお、補強布がウレタンに接すると補強布の接着剤が溶けて糸がほつれやすくなるので、一度貼った布にはあまり触らない様に注意する
  8. 補強布を貼り終えたら、下塗りと同じように立ち上がり用のウレタンを補強布を貼った部分に塗り上塗りをかける。この際も塗り厚の目安は0.3kg/㎡とする。全数上塗りが終わったら、仕上げ用のウレタン製のヘラ(適当な長さにカットして利用する)を使用して、表面を平滑に仕上げる
  9. 立ち上がり用ウレタンの塗布が完了したら、1晩乾燥時間を設け、翌日に平場用のウレタンを塗布する
  10. 平場用のウレタンは立ち上がり用と比べると粘度が低く水飴状となるので、塗料を流しながら金コテで仕上げいく。まずは立ち上がり部分から塗料を十分に流して立ち上がり全面が平場用ウレタンで覆われたら、そのまましばらく余分なウレタンが立ち上がりの下まで流れ落ちるのを待つ。十分に流れ落ちたら、立ち上がり部分はその状態で仕上げとし、流れ落ちた材を床面に金コテを使って広げていく。材が足りなくなったら、平場用のウレタンを塗料缶から床に配りながら、床全面に塗布していく(この際に立ち上がり用の下塗りを行ってい施工が難しい箇所から先行して塗り、あとは最後に逃げる部分を考えながら平場を塗っていく)
  11. なお、ウレタン塗料は気温によって乾燥速度が変わって来るので、その季節の気温にあった塗料を用意する様に注意する。また、表面に膜が形成されるまで塗布後1時間必要なので、その間は雨が当たらない様に天気の様子を見ながら施工時間帯を決める。
  12. 平場用ウレタン塗装の上塗りが終了したら(塗り厚は1.5ミリ程度とする)、充分に硬化している事を確認してから仕上げ塗料(トップコート)を施工する
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