※鋼管の施工手順に関しては、技能士試験を想定した内容(手動ねじ切り機を使用した施工方法)となっております。
鋼管に関して
- 鋼管はSGP(steel gas pipe)と表記し、黒ガス管(蒸気・油)と白ガス管(冷温水・冷却水・消火)の2種類の用途で種類が分かれている。
- 給水の用途で使用される鋼管は水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管となり使用箇所により外面の被膜により種類が分かれ、SGP-VA(屋内:外面は一時防錆塗装のみ)、SGP-VB(屋内外:外面は亜鉛めっき)、SGP-VD(埋設:外面は塩ビ被覆)の3種類に分かれる。なお継手には簡単防食継手を使用する。
- 排水の用途で使用される鋼管はD-VA(排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管)、SGP-TA(排水用ノンタールエポキシ塗装鋼管)の2種類があり、水圧が掛からないため継手にはMD継手が使用される
- SGPの場合は切断に弓ノコ、パイプカッター、バンドソー、グラインダー等が使用できるが、塩ビライニング鋼管の場合は弓ノコとバンドソー以外は使用出来ない。(それ以外はライニングがはがれてしまう危険性があるため)
鋼管の切断方法
- 切断位置の線を鋼管に引き、三脚の上のパイプバイスにしっかりと固定する。(固定が甘いと回って管に傷が付くので注意すること)なお、ねじ切りの作業性を考慮して拳ひとつ分程度、バイスより管を出しておく
- (右利きの場合)三脚が自分の体の右側に来る場所に立つ
- 標線に合わせて金属切断用の弓のこで片手で軽く引き、ガイドとなる引き溝を付ける
- 引き溝がついたら、溝か弓のこに切削加工用の油を付けて、両手を用いて真っ直ぐに切断する(この時パイプに対して垂直に切断出来ないと、ねじ切りの際にねじ切り加工が曲ってしまう危険性があるので適宜真っ直ぐに切れているか確認しながら切断すること)
- 切断し終わり際は押す力を緩める
- 切断が終了したらクリップボールを用いて内側のバリを取る
- 切断面が曲がってしまった場合は金やすりを用いて切断面をまっすぐに直しておく
鋼管の手動ねじ切り機を用いたねじ切り方法
※手動ねじ切り機使い方は下記の動画を参考にして下さい
- 15Aの場合は管端からチェーザ手前端部までの距離が7.2ミリ(4山)、ネジ切り深さが20ミリになる様に加工する
- ネジ山高さ(加工時の管の太さ)は継手を入れた時に4〜4.5回転で止まる程度の太さにする。なお回転数を確認する際は手回しで止まる所までねじ込んでから、逆回転でねじを抜きながら回転数を数える
- 1回での加工(1度切り)が困難な場合は2回に分けて加工する(2回切り)
鋼管のねじ込み深さと計測加工
- 呼び径15(ヨンブ管):ねじ込み量=6山(11mm)/残りねじ=5山(9mm)/ネジ全長=11山(20mm)/継手中心から端面までの距離=27mm/Z寸法=16mm/50mmマーキングからの距離=39mm
- 呼び径20(ロクブ管):ねじ込み量=7山(12mm)/残りねじ=5山(9mm)/ネジ全長=11.5山(21.5mm)/継手中心から端面までの距離=32mm/Z寸法=20mm/50mmマーキングからの距離=38mm
鋼管のねじ込み組立加工
- ねじ切り加工した管の加工部分を水の入った霧吹きで洗浄してウエスで拭き取り切削油を取る除く
- 管端から50ミリの所にマーキングを行う
- シールテープを5巻きする
- 手締めで継手を締め込む。なお、正しくネジが切れていれば4回転程度でトルクがかかる様になる
- 手締めで締まらなくなったらパイプレンチを用いて2回転程度継手を締め込む。なお、2回転しても緩い時は規定トルクに達しておらず水漏れの原因となるので、手で回せなくなる程度までしっかりと締め込む(位置合わせの際は、逆回転で戻すことが無い様に徐々に締め込む)
- 継手が締め終わる前にマーキングした箇所から継手端部の距離を測り、設計寸法通りに出来ているかを確認する(15Aの場合は37ミリになるのが正しい寸法)