壁紙(クロス)の貼り方
2021.05.13
- 原則、クロスは天井から壁の順、右から左の順に貼っていく
- クロスを貼る前に準備するクロスの糊付け長さは、天井の場合は入隅部分から2〜3センチ余分に、壁の場合でビニル巾木の場合は床から天井高さまでの距離から2〜3センチ減じた長さを、木巾木が先行して付いている場合は、木巾木上端から天井までの距離に2〜3センチ余分にみた長さのクロスを糊付け機を使って用意しておく
- 養生していたクロスを広げる際は両手でクロスの端部を、クロスの表面が自身の顔側に来る様に手を広げながら高く持ち上げながら保持して、腕で下に振るのと同時に体を使って上に持ち上げながら、糊でクロス同士が接着している面を剥がしていく
- 既に施工した部分のクロスや養生中のクロスの表面に糊が付着すると将来的に黄色いシミとなって浮き出て来る(もしくは汚れやヤニが付着する原因となる)ので注意すること
天井へのクロスの貼り方
- 天井を貼る際は、スタート地点のクロスを基準線と平行になるようにあわせ、右手→左手で端部を押さえたのち、手前から奥にクロスを張りながら手で天井に付けていく
- クロス全面が天井に接着され落ちて来ない状態となったら、スムーサーを使って、こちらも手前から奥に、中心から端部に向かってクロスのヨレや気泡が無くなる様に押し出していく(なお、この際に中心から端部に向かってスムーサーを動かさないと簡単にクロスが破けてしまうので注意すること)
- スムーサーを使ってクロスが平滑に貼れたら、入墨部分に角ベラ(ツノベラ)をあててエッジをしっかりと出す
- 角ヘラを当て終えたら地ベラをコーナー部分に当て、地ベラの下側からカッター(小)を入れて地ベラをガイドとしながらクロスを切断する。なおこの際に、切断する一辺に対してカッターの刃はクロスから引き抜かずに地ベラだけを動かしながらクロスを切断する(天井と壁では地ベラとカッターの位置関係が逆になるので注意すること)
- カットが終わったら端部や浮きがあるところをローラーで圧着させて浮きを抑える(ローラーは軸に水が入り錆びてしまうと滑りが悪くなるので、汚れて洗う際は絞った濡れ雑巾で汚れを拭き取る程度にしておくこと)
- 貼る部分の長さが長くて広げると床にクロスがついてしまう場合は、補助の人にクロスをもってもらうか、専用の補助器具(背負子のようなもの)を利用してクロスを貼る
壁へのクロスの貼り方
- 壁を貼る際は壁右上の入隅部分に右手親指を使ってクロスを合わせて、先に壁のタテの入隅の直線に合わせながら右上から右下端部の位置を決めてから左上、左下へと順繰りにクロスを壁に当てていく。なお、この際にクロスが壁に触ってしまうと位置調整がやりにくくなるので、①左手の高く上げながら壁から極力離して、位置を合わせたい所以外のクロスが壁に着かない様に注意するか、②クロスをたわませて左手で保持している場所のクロスを点付けし仮留めして右手で縦ラインを決めてから、仮留した部分を剥がして全体を左右に張りながら上から貼るようにするか、どちらかの方法で貼る
- 壁へ貼り始めるクロスの壁及び天井入隅への被せ寸法は、数ミリ程度とする
- 天井同様に、手でクロス全面が貼れたらスムーサーを使って中心から端部に向かって気泡を押し出し、全面が平滑になったら角ベラを使ってコーナーを出して、地ベラとカッターを使って入隅部分の余分なクロスを切断する。なお、この際に天井とは逆に地ベラの上側にカッターの刃を入れる様に注意すること(切断した際に残る側のクロスが常に地ベラの下側に来る様にすること)
- クロスを「突きつけ」で貼り合わせる際は突きつけるクロスが貼り終わってからカットテープ(青いテープ)を剥がして、指先で突きつけ部分の隙間や重なりが出来ない様に伸ばしたり開いたりしながら、凹凸が手の感触でなくなるまでに仕上げ、最後にローラーを転がして壁に密着させる。なお、糊が乾ききる前(約5分程度)に再度、隙間が無いか確認しながらローラーを転がすと隙間ができにくくなる(「突きつけ貼り」は「無地のクロス」、かつ「糊付け機でクロスの耳が裁断できる」なら出来るクロスの継ぎ貼り方法)
柄のあるクロスの貼り方(あい裁ち貼り)
- 柄のあるクロスが貼る面に対してどういった割付で貼るのが見栄えが良くなるかを検討し、壁の下地に対して必要があれば基準となる墨や印をつけておく
- 柄のあるクロスの場合、柄のパターンがリピートするものがほとんどなので、必要長さに柄のリピート間隔分の距離を足した長さでクロスを準備する
- 柄のあるクロスには耳の部分に上下の向きとリピート間隔を示す印(矢印)があるのでその印が残る巾となるように壁紙糊付け機のカット寸法をセットする
- 先に貼るクロス(通常右手にくるクロス)の柄物クロスを貼り合わせる部分(通常左側)には下敷きテープをセットし、逆側にはカットテープをセットする
- クロスがカット出来たら、養生用にまとまる前に先行して仕上げてある面側(例えば天井側)にもカットテープを貼り、そのあとに丸めて養生袋に入れる
- 欲しい長さのクロスが用意出来たら1枚目は1.で決めた墨や印にあわせてクロスを貼る
- 2枚目は先に貼ったクロスの左側端部の柄が2枚目のクロスの右側端部の柄が上から重なる位置に来るように、クロスの柄を合わせながら貼る(ペラペラ漫画を見る要領で2枚目のクロスを何度も上から重ねて、上から下まで各柄確認しながら貼る位置を微調整する)
- 合わせる位置が決まったら2枚目のクロスも全面スムーサー等で押さえて貼り、クロスが重なっている部分を地ベラを当てながら裁断する。なお、この際に下に来る先に貼ったクロスはカットされるが、その下の下敷きテープが切れない程度の力加減で重ねた2枚のクロスを同時にカットする
- 上から下までカット出来たら、下にあるクロスの左側と上に来るクロスの右側の端材と下敷きテープとカットテープを取り除き、突きつけ貼りの要領でカットした2枚のクロスの切断面の柄をあわせながら隙間が出ない様にローラーを当てながら貼り合わせる
壁紙の貼り替え(壁紙リフォーム)
- スイッチプレート、コンセントプレート、照明器具類、家具の扉等を施工に先立って外しておく(コンセントは糊が付かない様にマスキングテープ等で養生しておく)
- 施工の際に糊がついてはいけない箇所の養生を行う
- 壁の入隅等ジョイントコークやコーキングが打っている箇所にカッターを入れる
- 壁のクロスは下から上に、天井のクロスは中央部分から端部に向かって、既存のクロスを剥がす。なお剥がしはじめのカッターを入れる際にクロスの表紙のみが切れる程度にカッターの刃を入れる。また、クロスを大きく剥がす際は、既に剥がしたクロスを何重かに折りたたみ、折りたたんだ部分を持つとクロスが千切れにくくなる
- クロスを剥がした後に裏紙の凹凸部分(裏紙の濃淡が出ている箇所)や裏紙や石膏ボードの表紙が剥がれてしまっている箇所にパテ処理をして下地の不陸を直す。この際に使用するパテにクロスの糊を混ぜておくと裏紙の剥がれ防止となる(裏紙が剥がれてしまっている箇所は専用の注射器等を用いて浮いている箇所に糊を入れておく)
- パテが乾いたら、天井から先にクロスを貼る。天井にクロスを貼る際は天井面から握りこぶし1つ分下がった位置に頭の上が来る程度の高さの足場の上に立ち、両手を肩幅程度に広げて両手でクロスを天井面に押し付けて、右手は固定したまま左手を右手に引き寄せながらクロスを貼り、右手を中心に扇の骨を左手で描くようにクロスを天井面に貼り付けて行く。落ちてこない程度に貼れたら両手を左右に広げながら体全体を使って足の位置は出来るだけ動かさずに手の届く範囲の全面を貼って行く
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