職業訓練校1週目

週刊日記

 はじめまして、都立職業能力開発センターのマンション改修施工科という半年間の職業訓練コースに2021年4月に入校いたしました。マンションのリフォーム/リノベーション工事全般に関わる施工の技能を学べるコースで、教わることが多岐にわたるため私的な備忘録としてこちらにまとめることに致しました。

 公的な機関が、知識も経験も無い人向けにゼロからリフォーム工事を教える内容となってますので、職業訓練校で同様なコースの受講を検討されている方や、リフォーム工事をDIYでご自身の手で行おうと考えている方の参考になれば幸いです。

1日目:入校式

 職業訓練校の初日は入校式の式典のみで終了です。(11時頃終了)思っていたよりも厳かな雰囲気で、演台の横にはきれいな花が飾られて、紅白の垂れ幕も壁に掛けられている施設内にある体育館にて4月入校生全員が集まる中で式典は執り行われました。皆、入校試験+面接のあった時同様、フォーマルな恰好だったのですが、実は前日まで「職業訓練校だから動きやすい格好のジーパン+トレーナーの方が良いかな?」と思っていたので、その格好で行っていたらと思うと危なかったです…

 式典自体は所長の訓示と来賓の方のご挨拶、ハローワークからの事務連絡のみで、正直、これからの半年間過ごす施設の全貌もクラスメイトの顔も名前も分からないまま終わったのですが、体育館に用意されていた席(パイプ椅子)は各コース別に分かれて名前の順番で席が決まっており、おおよそのクラスメイトの人数と年齢層は確認できました。(今回は募集定員割れの10数名で、年齢層は自分より若干高めの40代後半~50代前半が多そうな雰囲気でした)

2日目:全体ガイダンス

 2日目も初日同様、朝一で体育館の自席に集合で午前中の全体ガイダンスで終わり、という内容でした。特に新型コロナウィルスへの注意喚起と、陽性反応や濃厚接触者となってしまったり、具合が悪かった時の連絡先や対処方法の細かな説明があった所が例年と違う所だと思います。

 他には全職員と担当指導員のあいさつと全体のスケジュールと施設全体の概略説明、最後に任意加入の傷害保険の話が保険会社の方からあり、12時頃に終了となりました。

 2日目からは生徒は休日を過ごす時のような服装となっていたこともあり初日よりかは生徒の雰囲気は掴みやすかったのですが、特に会話をすることもなく、また初日同様体育館への直行直帰で終わってしまったので、全貌が全くつかめず少し不安な気持ちになりながら家路につきました。

3日目:クラス別ガイダンス

 3日目はクラス別にガイダンスとなり、訓練校内の規則や時間割、担当の指導員の方の自己紹介と簡単なクラスメイトの自己紹介、そして施設全体のツアーと同施設内の他のコースの紹介(実習場の見学)があり、3日目にてようやく全体像が把握できる様になりました。

 授業の方は朝9時5分に始業で、1コマ45分で2コマ毎に15分の休憩が入り原則8コマとなります。実際は次の休憩まではチャイムも無い為、1時間半の授業が4時限あるような感じとなります。

 学校によって違いはあるのかもしれませんが、各休憩の前後には号令とあいさつを行い日直当番、掃除当番もあるため、大学というよりもむしろ高校や中学に雰囲気は似ており、守らなくてはいけない規則も中学高校の校則同様に多い印象です。(特に、給付金の対象となる通学経路と遅刻・欠席に関して)

 税金が入っているため致し方が無いとは思いますが、明確な目的意識と覚悟を持っていないと精神的にキツく、職業訓練校などには入らずにその間、独学で技能の習得に励んだり転職活動に励んだ方が精神的には楽なんではないかと感じました。(なお、時期的にお子さんの入学/入園式で欠席されている方もおりました)

4日目:ガイダンス+実習

 4日目から初めての終日の授業となりました。午前中はガイダンスの延長で(自己紹介スピーチ、教科書の購入、貸与品の工具類の受領)午後から実習室での作業となります。

 選んだコースは半年間のコースになるのですが、募集は四半期毎に行っており3か月前に入校した先輩方と同じ教室を使用するコースとなります。(授業はほとんどか同じになる事は無く、特に実習作業は別のフロアで行います)この日の午前中は教室をともに使用する3ヶ月前に入校した先輩方の自己紹介スピーチと我々の自己紹介スピーチがあり、4日目にして初めてクラスメイトの職歴や趣味などをおぼろげながら知ることが出来ました。

 実はマンション改修工事の施工全般を学べるという少し特殊なコース内容のため、近い業界出身の人が多いかも?と良くも悪くも期待していたのですが、先輩も含めて自己紹介を聞く限りではそのような人はおらず、全くの他業種から参加されている方がほとんどなことに驚きました。(のちに個別に話を聞くと、このコースを選択したことに納得できる部分が多いのですが)

 またお昼ですが、校内で仕出し弁当が400円で注文出来る様で、早速頼んでいる方もおりました。(なお、人によって意見は分かれますが、私は500円は取れるお弁当だと感じました)お昼休みは1時間あり近隣に商業施設がある環境ですが、自分のクラスはお弁当持参か、登校時に購入したお昼か仕出し弁当で、外に食べに行っている人はほとんどいないのでは無いかと思います。

 午後は実習室での作業となり(この日は午後から実習作業となるので、事前に購入している指定の作業着に着替えておいて下さい、と前日にアナウンスがありました)まずは午前中に前期から引き継いだ貸与品の工具の確認からとなりました。

 貸与品の工具は大きな樹脂の箱に入っており、①コンベックス(メジャー)②指矩(さしがね)③のこぎり④玄能(ハンマー)⑤カッター(大)⑥カッター(小)⑦カッター折刃ケース⑧プラスドライバー⑨パテベラ⑩地ベラ⑪角ベラ⑫腰袋(大)⑬腰袋(小)⑭腰袋ベルト(フック付き)⑮防塵メガネ が貸与品となり、他に軍手と切創防止手袋、使い捨て防塵マスクが消耗品として支給されました。

 他の電動インパクトドライバーや丸ノコ等の電動工具や手工具、治具、道具は作業工程に応じて一人一台や何人かで1台でそれぞれ共用で使う事になります。

 この日は貸与品の各工具の使い方の説明と脚立等の使用時の注意等の安全教育がありました。(※各工具の使い方はメニューの「工具・道具」を参照ください)作業着に着替えていることもあり、ようやく授業が始まったという感じにもなったのですが、普段見慣れている工具や道具などの使い方の説明や(特に)安全教育は、これまで何気なく見様見真似で使っていただけに、公的な機関で専門の指導員から教えて貰えるというのが、このコースの最大のメリットだと改めて感じました。

5日目:建築概論

 終日教室での座学で「建築概論」という授業になりました。全5回の講義で建築概論終了時に簡単なテストを実施します。(理解度を確認するためのテストで出来不出来は問われないテストとなります)

 テキストは3日目に購入した物を使用するのですが、時間の制約上、建築物の各種構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造の3種類)と仕上げ材の箇所のみを勉強するカリキュラムとなっております。

 正直、マンションのリフォーム工事やリノベーション工事、大規模改修工事には直接的に関係する知識ではないのですが、短期間で扱うには範囲が広すぎて、教える方も学ぶ方も焦点がしぼり辛く難しい授業だと思います。

 とはいうものの、建築物を構成する部材の名称や工事種別など最低限の物は知っていないと現場に出てから恥をかきますので(そもそも、いい年した人が基本的な知識も分かっていないとなると仕事にならない)、30歳代以降で真剣に建設業界に転職を考えている方は授業とは別に構造種別毎の建築物の作り方と各種主要な部材名称は頭に叩き込んでいないと転職は難しいのでは?と感じます。

  内容的には得るもののが少ない座学での終日の講義でしたが、逆に全くの素人の方や若手の新人にはこのレベルから話を進めないと理解が難しいということが分かった、貴重な一日となりました。

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