職業訓練校2週目

職業訓練校の2週目の実習内容となります。

6日目:建築生産(自由研削砥石)、内装仕上げ基本作業

 自由研削砥石の安全講習はグラインダーと高速切断機を実習で扱うのに必要な資格な為、講義のはじめに設定されております。(特に高速切断機を用いて軽量鉄骨を切断する作業が始めにあります)1日目は現役左官職人の講師の方による講義とグラインダーの試運転実習、2日目(翌日)は担当指導教官による高速カッターの試運転実習の予定となっており、1日目の座学の講義の終わりには簡単なテストが実施されました。

 講師の先生は、他の訓練校や民間の企業でもこの手の安全講習の講師を務められており、かつ現役の職人でもあるため、座学ではあるものの生きた現場のお話を伺えて非常に為になる講義でした。(話がそのたびに脱線してしまい、カルキュラムを時間内に収めるのに苦労している感もありましたが…)

 最後に1時間半を使って実習室でグラインダーの研修があり、使用時の注意事項や砥石の交換の仕方など、その日のうちに現物を使って確認でき理解が深まりました。

7日目:内装仕上げ基本作業

 昨日に引き続き、朝から実習室にて自由研削砥石(この日は高速切断機)の現物を用いての研修があり、一通り使い方を学んだ後に、実際に週の後半から始まる軽量鉄骨(以下、LGS)の試し切り作業を行いました。

 学生の頃、研究室で何気なく使っていた高速切断機でしたが、グラインダーや丸ノコを含めて(業務で)使用するには安全講習を受けなくてはならないこと(ちなみに学生の頃はまだこの法規制は無かった)と、使い方を誤ると重大な事故につながることの認識が薄かったため、危険性を含めてしっかりとした知識が得られたことは非常に有意義でありました。

 LGSの試し切りが終わったのちは、ノコギリの使い方の説明と試し切りを行った後に、初めての制作課題が出されました。課題は端材を使って留めの継手加工で30センチ角の木枠を制作するというものでしたが、作業台が無い中で細かな精度を求める課題に正直苦労しましたし、体の硬さも災いして出来も良くなかったです。(指導員の先生も、いきなりハードルを上げすぎた、と苦笑いしてました)

 のちの課題でも痛感することになるのですが、指導員の先生からは都度1ミリ単位の精度を要求されるので、下地の段階で適当にやっていると後で色々と苦労することになるし、それを見越して下地から精度を出しておかないといけないと身をもって理解することが出来ました。

 この日最後の実習作業は、墨壺の使い方と試し打ち作業となりました。墨壺も現場でさんざん大工さんが墨を打っている所に立ち会って来たので、使い方はなんとなく理解していましたが、実際に自分で打ってみると思っていた以上に繊細な感覚が必要とされる作業で、これもまた使い方やコツをゼロから学ぶことが出来ました。

 実質、実習の初日で3つの作業をこなし、早くもこのコースの実習の進むスピードの速さを実感することになります。

8日目:マンション大規模修繕技術+建築概論

 水曜日は終日教室での講義のスケジュール(作業着は使用しない日)の様で午前中は分譲マンションの大規模修繕に関する講義を、午後は建築概論2回目で鉄筋コンクリート造の構造と施工に関する講義がありました。

 大規模修繕の講師の先生は実務で大規模修繕工事の設計コンサル会社を経営されている一級建築士の先生で実務での経験を色々と聞けそうな期待感と、なによりもマンションに対する愛情を感じられる先生でした。テキストはご自身も執筆に関わられている大規模修繕に関する本をテキストにされており、さながら大学での講義の様で授業の回数が限られているのが残念に感じるほどでした。

 午後は、先週末に引き続き建築概論の講義で鉄筋コンクリート造の解説でしたが、ずぶの素人相手にスターラップとかセパレーターとか細かな部材の説明をしても、今は全く頭にはいらないんだろうなぁ、と思いながら聞いておりました。ただ、自分も新人の頃に現場で年配の訛りのひどい職人さんから色々と質問されて、言われている単語が全く分からず(方言の訛りなのかな?)と思って家に帰って調べてみたら部材の名称だった、という恥ずかしい経験を経ながら建築独特の部材名称を覚えていったことを思い出しました。

9日目:内装仕上げ基本作業


 座学も交えつつ初めて終日実習室での作業の日でした。今日から3日間掛けて3〜4人一組の班で1坪のスペースにLGSの壁下地を組んでいきます。(ちなみにこの班は3日目のガイダンスで決められた掃除の班のメンバーとなります)

 午前中は配布プリント(公共工事標準仕様書の金属工事の鋼製下地をベースとした配布プリント)を用いてLGSの部材と組み方の説明と課題の図面を見ながら作業スペースへの墨出しを行いました。

 「公共工事標準仕様書」は組織設計事務所にいた頃に何度もRFPに記載して、施工者に「これに準じる形で工事を進めてくださいね」とお願いしていたものなのですが、実際に中身を読んだことが無く(汗)今更ながらすごく参考になりました(汗)

 実際に自分でLGSの工事を行うことは恐らく無いかと思うのですが、どういった工程で鋼製下地を組んでいくのか、その際にどういったことに注意しなくてはならないのか、材料の施工性はどうなのか、精度はどこまで出せるのか、などなど、自分の手を動かすことで身をもって理解できる貴重な機会となりました。(※LGSの組み方に関しては「建築工事」のページを参照ください)

 この日は、墨壺を使った墨出しと墨の記号の解説、レーザー水平器の使い方の説明とレーザーを用いた仮設の天井面への墨出し、墨に合わせたLGSランナーの採寸と切断作業、ランナーを切断した後に仮設の天井と床への留め付け作業がありました。(床と天井は仮設の物なので、コンクリート面への留め付けではなく木下地(床)とLGS野縁(天井)へのインパクトドリルを用いたビス打ちとなりました。)

10日目:建築生産(丸ノコ)+内装仕上げ基本作業

 6日目の月曜日と同様に、終日丸ノコの安全講習の日となりました。朝から教室でのテキストを使った研修と終了テスト、最後の一時間半は実習室での現物を使った使い方の説明と実際の切断作業となりました。

 グラインダー同様、特に丸ノコに関してはDIYで使う頻度が高くインパクトドライバーに次いで使い慣れている電動工具なため、改めてその危険性を再確認できたことは良かったと思いますし、今後、人に使い方を説明する際も、どういった使い方をすると危険なのか、キックバックを起こしやすい切り方はどういった切り方(枕木の配置の仕方)なのかを明確に説明できるようになりました。

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